山形県 山形市 江良歯科医院
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医院ブログ

歯医者さんが治療に手間と時間をかけるわけ ~被せ物編①~

歯の豆知識
ブログを見て頂きありがとうございます!
江良歯科医院副院長の江良達宣です!

江良歯科医院は「患者さんの噛む喜びをサポートする」を理念に日々診療に励んでおります。

通院が複数におよぶ歯の治療では、「いつになったら終わるの?」「また調整?」「毎回何やっているの?」などと不安に思うかたもいるかもしれません。
しかし、快適なお口で長く過ごしてもらうために、歯科医院では必要な手間と時間をかけて治療をしています。
ひとりひとりお口の状態は違いますから、お口のなかの状態を調べるところからはじまり、患者さんそれぞれに合わせたやり方で健康な状態を取り戻していきます。
まさにそれば“超オーダーメイド治療”。
では、その工程と歯医者さんのこだわりをみてみましょう。今回は「被せ物の治療」です。

CHECK!
被せ物治療が受けられる歯は、「根がある歯」です。

被せ物の治療は、むし歯を削ったり、神経の治療をしたあとに受ける場合がほとんどですが、見た目を改
善する目的で治療されるかたもいます。
一方、歯の根を失っている場合では受けられず、インプラントやブリッジ、入れ歯などほかの治療法を選
択することになります。被せ物の治療は、歯の根 があることが大前提です。

次のようなかたが受けられます。

・大きなむし歯はあるが、歯の根はあるかた
・もともとある被せ物のやりかえが必要なかた
・歯周病の治療で被せ物を外したかた
・見た目をよりよくしたいかた

歯の被せ物(クラウンやインレーなど)の治療に手間と時間がかかる理由は、治療のプロセスが精密で複数の段階を踏む必要があるためです。
以下にその理由を詳しく説明します。

1.正確な診断と治療計画の立案
- 被せ物が必要な場合、まず歯の状態を詳しく診断する必要があります。虫歯の進行度、神経の状態、歯周組織の健康状態などを確認するため、レントゲン撮影や視診が行われます。

- 患者さんの噛み合わせや審美的な要望も考慮して、どのような素材(セラミック、金属、ジルコニアなど)や形状の被せ物が最適かを決定します。
この計画立案には時間と専門知識が必要です。

2.歯の形成と精密な型取り
- 被せ物を作るためには、歯を削って適切な形に整える必要があります。この作業は非常に精密で、削りすぎると歯を傷つけ、削り足りないと被せ物が合わなくなるため、慎重に行われます。

- 削った歯の形を正確に再現するために、型取り(印象採取)が行われます。従来の粘土のような材料や、最近ではデジタルスキャナーを使用する場合もありますが、いずれにしても正確さが求められるため時間がかかります。

3.被せ物の製作
- 型取りしたデータを基に、歯科技工士が被せ物を製作します。
このプロセスは手作業やCAD/CAM技術を用いて行われますが、以下のような理由で時間がかかります:
・素材の選択と加工の複雑さ**:セラミックやジルコニアなどの素材は、見た目や強度を考慮して層を重ねたり、焼成したりする工程が必要です。
・噛み合わせの調整**:被せ物は患者さんの噛み合わせにぴったり合うように作る必要があり、微妙な調整が求められます。
・審美性の追求**:特に前歯の場合、自然な色や透明感を再現するために、技工士が細かい色調の調整を行います。

- 技工所での製作には通常数日から1~2週間程度かかることが一般的です。

4.仮歯の装着
- 被せ物が完成するまでの間、削った歯を保護したり、見た目や機能を維持したりするために仮歯を装着することがあります。仮歯の製作や装着にも手間がかかります。

- 仮歯は一時的なものですが、快適に使えるように調整する必要があり、場合によっては複数回の調整が必要です。

5. 被せ物の装着と最終調整
- 完成した被せ物を装着する際、歯にしっかりとフィットするか、噛み合わせが適切か、見た目が自然かを確認します。微調整が必要な場合、装着後に削ったり磨いたりすることもあります。

- 接着剤(セメント)で固定する際も、適切な硬化時間や清掃が必要です。

6. 患者さんの状態による追加の処置
- 虫歯が深い場合や神経に影響がある場合、根管治療(根の治療)が必要になることがあります。この場合、治療が複数回にわたるため、さらに時間がかかります。

- 歯周病がある場合や歯茎の状態が悪い場合、まず歯茎の治療を行ってから被せ物の治療に進む必要があります。

7. 長期的な耐久性と精度の追求
- 被せ物は長期間(5~10年以上)使用されることを前提に作られます。そのため、初期の治療で精度を高め、トラブル(外れやすい、虫歯の再発など)を防ぐことが重要です。
このため、どの工程も丁寧に行われます。


まとめ
歯の被せ物の治療は、診断、歯の形成、型取り、技工所での製作、仮歯の使用、装着・調整といった複数の工程が必要で、それぞれに高い精度と専門性が求められます。また、患者さんの口腔内の状態や希望に応じてカスタマイズされるため、手間と時間がかかるのです。治療の質を高めるため、患者さん自身も治療スケジュールを理解し、定期的な通院を心がけると良いでしょう。
何か特定の工程についてさらに知りたい場合や、治療中の疑問があれば教えてください!






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