山形市の歯医者|歯周病・矯正・インプラント対応|江良歯科医院
山形県 山形市 江良歯科医院

医院ブログ

スポーツマウスガードは本当に必要?

歯の豆知識
競技別に歯科医師が解説
山形市でスポーツマウスガード・スポーツ歯科なら江良歯科医院

こんにちは。山形市落合町の江良歯科医院です。
スポーツをしている選手や保護者の方から、
「ラグビーなら必要そうだけど、サッカーにも必要?」
「野球でマウスガードをつける意味はある?」
「バスケットボールでも歯はケガするの?」
と聞かれることがあります。
結論から言えば、すべての競技で全員が必ず装着すべき、と単純に考えるものではありません。
しかし、歯や口元への衝撃が起こり得る競技では、マウスガードを検討する価値があります。
2024年のシステマティックレビューでは、成人を対象とした研究で歯の外傷の有病率は、コンタクトスポーツで11.38%、非コンタクトスポーツでも5.24%でした。つまり、接触競技だけの問題ではありません。


そもそも、スポーツマウスガードは何のため?

最大の目的は、筋力を上げることではなく、歯や口を守ることです。
期待される役割には、
  • 歯の破折や脱臼などの外傷を減らす
  • 唇や頬などの軟組織を守る
  • 歯列への衝撃を吸収・分散する
  • 顎や口周囲へのダメージを軽減する
などがあります。
米国歯科医師会(ADA)も、歯や顔面への外傷リスクがあるスポーツでは、適切にフィットしたマウスガードの使用を推奨しています。

では、競技ごとに考えてみましょう。


ラグビー・アメリカンフットボール
必要性:非常に高い
タックルや密集、転倒など、強い接触が繰り返される競技です。
歯への直接的な衝撃だけでなく、相手選手の頭・肩・肘などが顔面に当たる可能性があります。
このような競技では、マウスガードは「あると安心」というより、基本的な防具の一つとして考えるべきものです。

ボクシング・格闘技
必要性:非常に高い
顔面への打撃そのものが競技の一部です。
前歯の破折、歯の脱臼、唇・頬の裂傷などを防ぐためにも、マウスガードは極めて重要です。
特に強い衝撃を受ける競技では、単に厚くすればよいのではなく、競技特性に合わせた厚み・保持力・噛み合わせの設計が重要になります。

バスケットボール
必要性:高い
「バスケにマウスガード?」と思われるかもしれません。
しかし実際には、
  • リバウンドで肘が顔に入る
  • 相手選手と接触する
  • 転倒する
  • ボールが顔面に当たる
など、口腔外傷が起こり得ます。
ADAもバスケットボールを、マウスガードの使用を推奨するコンタクト/コリジョンスポーツに含めています。

サッカー
必要性:選手・ポジション・プレースタイルによって検討
江良歯科医院として特に発信していきたい競技です。
サッカーはラグビーほど激しい接触競技というイメージはありませんが、
  • ヘディングの競り合い
  • 相手の肘や肩との接触
  • GKとFWの衝突
  • 転倒
  • ボールの顔面直撃
などがあります。
日本の過去の調査でも、サッカー選手の口腔外傷が報告される一方、マウスガード使用率は非常に低いという結果が示されています。
特に、GK・CB・CFなど接触機会の多いポジション、過去に歯の外傷を経験した選手、矯正治療中の選手では、より積極的に検討してよいでしょう。
サッカーでは「全員につけましょう」というより、選手ごとのリスクを評価することが重要だと考えます。

野球・ソフトボール
必要性::状況によって検討
野球は選手同士の接触は比較的少ないものの、別のリスクがあります。
それが、硬いボールが高速で飛んでくることです。
打球や送球が顔面に当たれば、大きな歯の外傷につながる可能性があります。
ADAも野球・ソフトボールをマウスガード使用を検討するスポーツとして挙げています。
特に内野手や打者などでは、競技環境や既往歴を踏まえて検討する価値があります。

ホッケー・ラクロス
必要性:非常に高い
選手同士の接触に加え、スティックやボール/パックによる外傷リスクがあります。
顔面防具を使用していても、競技規則や装備だけに頼るのではなく、口腔内から歯を守るという考え方も重要です。

スキー・スノーボード・自転車など
意外かもしれませんが、非接触競技でも歯の外傷は起こります。
相手選手との接触ではなく、転倒 → 顔面を地面に打つ というタイプの外傷です。
ADAはスキー、自転車、スケートボード、体操などについてもマウスガードの使用を検討する競技として挙げています。
「接触競技ではない=歯をケガしない」ではありません。


市販品と歯科医院のマウスガードは何が違う?

大きな違いは、フィット感と設計の自由度です。
スポーツ用品店などで購入できる既製品やお湯で成形するタイプもあります。
一方、歯科医院で作製するカスタムメイドタイプは、選手本人の歯型・噛み合わせに合わせて作ります。
2024年に発表されたEuropean Association for Sports Dentistryのポジションステートメントでも、カスタムメイドのスポーツマウスガードは、保護性能だけでなくフィットや快適性を考慮した選択肢として位置づけられています。
特に競技中は、 外れにくい・呼吸しやすい・話しやすい・違和感が少ない ことが「実際に使い続けられるか」に直結します。


マウスガードをつければ脳震盪も防げる?

ここは誤解されやすい部分です。
「マウスガードをつければ脳震盪を防げる」とは現時点では断言できません。
歯や口腔外傷を減らす効果については比較的明確なエビデンスがありますが、脳震盪予防については研究結果が一致していません。
ADAも、脳震盪に対する効果は歯科外傷ほど一貫したエビデンスではないと整理しています。
この点はスポーツ歯科として正確に伝えておく必要があります。


江良歯科医院が考える「必要性」

私たちは、「スポーツをしているから全員マウスガード」とは考えていません。
大切なのは、競技 × ポジション × 年齢 × 接触頻度 × 外傷歴 × 歯列・噛み合わせ から、その選手のリスクを考えることです。
そしてリスクが高いのであれば、ケガをしてから治療するのではなく、ケガをする前に守る。
それがスポーツ歯科の重要な役割だと考えています。


まとめ

スポーツマウスガードの必要性は競技によって異なります。
ラグビー・格闘技・ホッケーなどでは必要性が非常に高く、バスケットボールやサッカーでも口腔外傷は起こり得ます。また、野球やスキーなどでもボールの直撃や転倒によるリスクがあります。実際、2024年のレビューでもコンタクトスポーツの方が歯科外傷は多いものの、非コンタクトスポーツでも外傷は確認されています。
そして最も大切なのは、マウスガードは「パフォーマンスを上げる魔法の道具」ではなく、「歯と競技人生を守るための防具」であること。
前回の記事でも触れたように、スポーツ選手にとっては「プラスを求める」だけでなく、歯の外傷という大きなマイナスを作らないこともコンディショニングの一部です。


img_01

歯を守ることは、競技人生を守ること。
江良歯科医院では、山形でスポーツに取り組む子どもから大人まで、お口の健康からサポートしていきます。

江良歯科医院
【所在地】山形県山形市落合町字二口203-1
(落合スポーツセンター北側)
最寄り駅:羽前千歳駅/駐車場あり
【電話番号】023-642-1184 

受診・お問い合わせはこちらから ↓


山形市 スポーツ歯科/山形市 スポーツマウスガード/マウスガード サッカー/マウスガード バスケ/マウスガード 野球/スポーツ 歯 外傷/アスリート 歯科/江良歯科医院

ご相談・お問い合わせはこちら